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フレーム

DVD『フィッシャー・キング』を見ました。

なんだか題名とか雰囲気とかで以前からそのうち借りなきゃとか勝手に思っていたわけですが、個人的にはその直感は正解でした。たぶんテリー・ギリアム監督作品だからかもしれません。失礼な表現かもしれませんが、ちょっと「はずれた」視点が何よりも魅力です。

その「はずれた」感じを表現するのが難しいんですけどね。ちょっと突飛で見る人を選びそうな設定っていうか、なんていうかはずしていないけどどちらかといえばお金のかからない特撮映画的な映像っていうか、なんだか感情移入しきれないような演出(これは苦手なだけなのかも)っていうか、そんないろんな点でメジャー路線からちょっと「はずれて」いるというところでしょうか。

まだ10代の頃に毎週のように映画を見ていた時期がありました。単に映画を見たいという動機とは別に、自分が持っているフレーム(価値観とかの枠組み)を、映画が持っている別のものを覗き込む(ぶつける)ことではずしていく作業だったんだと思います。

で、フレーム自体を描いたような作品に目が向くようになるわけですが、たまにありがちな素人評論家的に演出や技術や関係者などをあれこれ勝手な意見を述べる方には向かいませんでした。コンピュータとか車とかもそうですが、スペックだけに夢中になってもしょうがないでしょ、って感じでしょうか。

それよりは単純に楽しいとか感動するとか泣けるとかの方が役立つし、お金を払いたくなるわけです。その上で何か考えるきっかけになったり、進路を決めたり、ブログのネタになったりするならそれはそれでうれしい。

ギリアム作品はそこらへんでうまくバランスを取れているのが好きな理由かもしれないな、とこれを書きながら考えました。いや、でも作品や好みにもよるかもしれません。顔をしかめる人も同じ監督の作品をはしごする人もいるでしょう。それで普通です。それでいいんです。

おまけ:
別に映画じゃなくても、音楽でも読書でも勉強でも部活でもバイクでもバイトでも恋愛でもいいんでしょうけどね。たまたま自分の場合は映画でした。もちろんフレームがない世界などはありえません。この点については自分のテーマとしてずっと気にかけていることです。たとえば家族とか地域とか友人とか。才能とか時間とか運命(笑)とか。

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2006年02月13日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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