大学が定員割れで初の民事再生法の適用申請、というのが今朝の日経新聞のニュース。
受験生の数が定員の数に並ぶ、いわゆる「大学全入時代」が、少しずつ現実的なものになりつつあります。実際にセンター試験受験者数も減り続けているし、生徒たちの話を聞いても中学などもクラスの数や人数が減っていて、もう見ないふりもできなそうです。
たとえば10年後、大学という場所はどういうところになっていくんでしょう。とりあえず3パターンに分けてみると...
1)消えていく大学
これまでどおりの戦略では学生数を確保できずに消えてしまうのでしょうね。収入(受験料や授業料等)と支出(人件費、施設費等)のバランスがおかしなことになっていくわけですし。企業のような統廃合などが当たり前になるかもしれません。やはり都会よりは地方から始まるのかな。学部ごとにキャンパスを分けて、総合大学化することもありでしょうか。
2)消えずに残る大学
いろいろな工夫を先取りして残る大学は多いはずです。大学のレジャーランド化というのが以前から言われていますが、興味関心を予測して応えることすらできないようではだめなのでしょう。できればさらに先へ進んで、消費者に新しい価値を提案できる大学がもてそうです。
現在進んでいる動きとしては単位互換制度や国内留学制度でしょうか。インターネットで授業が受けれる、などのネットワーク化は普通すぎて差別化できない気がします。マイレッジ(ポイント)互換や、労働経験を査定してくれる制度とか、できそう。短大同様2年で4年分勉強して卒業できるとか、もしくは高専卒業と同時に大学卒業みたいなのは、濃くてよいかも。
3)栄える大学
現在著名な大学はある程度平気でしょう。でも大人数で動かしている(受験料収入もずいぶんあるはず)ことには変わりなく、国からの補助金も含めて結局はライバル校などと取り合いになるはず。加えて、優秀な生徒を確保する工夫が求められることになります。同じ大学内でも別ブランドで進めたり、別の名前をつけることになるはず。
となるでしょうか。
すでに現在少人数教育を前提に展開しているところは大丈夫なのでしょうが、大教室をいっぱいにして授業をしている大学などは、数年後にはそれができなくなるわけで大変です。
それと比べてどちらが早いかわかりませんが、大学入試制度も変わっていくでしょう。改革の足並みは完全に後手にまわっている気がしますが、そのころはずいぶんとコンパクトな国になっているかもしれません。というか、若い人の数が高齢者に比べて少なくなる、といった方が正確か。
だからもしかすると、冒頭のようなニュースはいよいよ高齢化社会だぞ、と読まなければならないのかもしれません。